塩見団扇 / 森のうちわ

過去からあり、未来にもあるもの

家の中でうちわの出番は夏に限られる。しかしそれが年中飾られていても違和感のないインテリア性を備えていれば話は別だ。京うちわの企画製造を営む塩見団扇は、これまで課題だった季節性を問わない商品の開発に挑んだ。
「森のうちわ」はその名のとおり、1本1本が木の形をしたうちわである。春夏秋冬の4種類あり、春は桜色と水色、夏は深緑色と群青色というように、表裏に優しい色合いの和紙を張り、リバーシブルとした。京うちわは柄と中骨が一体ではない構造のため、扇面がフラットなのが特徴だ。その特徴を生かし、扇面の一部をくり抜いて、愛らしい木の姿を表現した。さらにうちわを真っ直ぐ立たせるため、木材で専用の柄と土台も作った。扇ぎたい時には土台からうちわを取り、また土台にうちわを再び差し込めばインテリアとなる。「元々、スタンドが備わった装飾用京うちわはあった。珍しい技術ではないが、新しい感覚のうちわを提案できた」と代表取締役の秋田悦克は話す。

 

塩見団扇
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